(掛け軸)大平泰庵 筆 ●寸法/191×47cm●紙本●明朝表装●軸先/塗り●作者直筆落款入桐箱収納●風鎮付●美術市場評価/尺五立11万
川中島の戦いを詠じた頼山陽の名詩を味わう
江戸末期、文化文政時代の立役者として活躍し、詩文書画に縦横の才を見せた漢学者・頼山陽。誰もが一度は耳にしたことのある「鞭声粛粛夜過河」で始まる有名な漢詩を、頼山陽自筆の奔放自在な書を模して、名書家・大平泰庵が墨痕鮮やかにしたためました。永禄四年の川中島の戦いの際、上杉謙信と武田信玄の一騎打ちにおいて討ち損じた謙信の無念の胸中を詠じた七言絶句です。幕末の志士にも広く親しまれた漢学者の、哀切極まる詩文の深い味わいがご堪能いただけます。
鞭声粛粛夜過河 暁見千兵擁大牙 遺恨十年磨一剣 流星光底逸長蛇
鞭声(べんせい) 粛粛(しゅくしゅく) 夜 河を過(わた)る 暁に見る 千兵の大牙(たいが)を擁するを 遺恨なり 十年 一剣を磨き 流星 光底 長蛇を逸す
【解説】 謙信は、信玄の機先を制すため夜更けに軍を進め、鞭の音さえひっそりと千曲川を渡る。明け方になって、武田軍はやっと大将旗を中心に数千の兵が襲来するのを発見した。謙信は長年の遺恨を晴らすべく、磨き抜いた太刀をもって信玄に襲いかかったが、惜しくも討ちもらしてしまう。
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